4日目(8/18) ヴェローナ→ミラノ

 ヴェローナの朝は快晴です。スイスに比較して南に下がった分、ここイタリアは結構暑いです。昨日はクーラーをつけっぱなしにして寝てしまいました。というか、クーラーの消し方がよく分からなかった。このホテル、プラスティックの鍵なのだが、部屋を開けた後、その鍵を部屋の中のスロットルにささなくてはいけない。そうしないと、電気もクーラーもつかない。とりあえず、外から鍵を開けると電気は点く。でも、そのままにしておいたら、すぐに部屋の中が真っ暗に。昨日の夜なんか、なにがなんだかわからなくて、????が頭の中で渦巻いてしまった。で、出かけるときはスロットルから鍵を抜くと自動的に電気とクーラーが消えるという仕組みになっているらしい。う〜ん、省エネ対策は完璧という感じか。でも、最初は説明もよく分からなかったし、クーラーは冷え過ぎるし、サイドテーブルの電気のボタンは分からないし。かなり戸惑いました。さらに、お風呂。水周りは広い。バスタブも大きい。何せジャグジーつき。でもねぇ。シャワーヘッド動かないじゃない。カーテンないから、シャンプーが思いっきりできないじゃない・・・ジャグジーたって、使い方どこにあるの?一応4☆ホテルでなかなか、慣れれば快適なんだろうけれど、イタリアのホテル初体験組には昨日の夜は戦場に近かった。ってことで、ちょっと寝不足かな?でも、今日も元気に観光したいものです。
ホテルの朝食は地下1階の小さな朝食用のレストランで、ビュッフェを頂きます。メニュー的にはほとんどスイスと同じ。違うのはトースターがあるってところかな。本当、普通の家庭用トースターで自分で食パンを焼く。でも、これがなかなか美味しかった。あと、フルーツがたくさん。コーヒーも美味しい。朝食はかなり満足って感じです。さて、部屋に戻り、いよいよチェックアウト。1階で宿泊代を精算し、昨日預けたパスポートを返却してもらう。(これもスイスとは違うところだった。)午前中はこのままヴェローナを観光するので、荷物をホテルで預かってもらい、いよいよ、中心部に。
まずは、昨晩と同じように、Corso Porta Nuova を歩いきブラ門をくぐり、P.za Braブラ広場へ。ここには騎馬像とArenaアレーナがある。きのうはオペラをみる人々でごった返していた広場も朝は、人も少なく少しさみしい感じがする。 まずは入場料を払い、アレーナの中に。う〜ん、感想はこれを紀元前1世紀ごろに建造した古代ローマの人々はすごい!そして、それが現在このような形で残されているってことに感激。中ほどでは、今晩のオペラのための準備が行われている。とりあえず、階段を昇り一番上まで上がってみる事に。上からはブラ広場のみならず町全体が見て取れる。しかし、この階段めちゃくちゃ1段ずつの幅が高い。普通の段差の倍以上はある。座ってちょうど足がつくって感じなので、上り下りにはかなりきつい。でも、ボーッと石の上に腰を下ろしていると、時代にタイムスリップした心地に浸れる。アレーナの一番上にはアーラと呼ばれる囲いの一部があり、本当は全部にあったらしいけれど、今残っているのは4つのアーチだけ。
さて次ぎに、Via Mazziniマッティーニ通りを通り、P. za Erbe エルベ広場へ。マッティーニ通りの両側の小道には古い家が建ち並び、えも知れぬ情緒を醸し出している。マッティーニ通りとエルベ広場の交わったところを右に曲がって、エルベ広場の東側のVia Cappello カッぺロ通りを少し行くと、ジュリエッタの家がある。ほんとうは、ここも見る予定だったけれど、近くまで行ったところ、団体で込んでいたので諦めることに。(ちょっと、残念。)そこで、ジュリエッタの家の手前の道を左に入り、本当に少し歩くとまた、別の広場に。ここは、Piazza dai Signori シニョーリ広場。ダンテの像が建ち、建物の周囲には回廊がある。ほとんど、人もいない広場なんだけれど、だからこそ、一瞬にして、現代から中世に迷い込んだような気持ちにさせてくれる広場である。すぐ横を中世風の衣装に身をつつんだ人が歩いていても何ら違和感を覚えないところである。 この広場のそばにあるのは、スカラ家の廟Arch Scaligere。棺(中身はないのかな?)がおかれている。13世紀から14世紀に掛けて、ヴェローナを統治していた家の廟だけあって、華麗ではないけれど、荘厳で贅をつくしたという言葉がぴったりの廟である。なんでも、ゴシック様式とかで(美術は苦手なの・・)書かれていた。特徴は写真でも分かるように、柵の形。1300年代の鉄製の柵らしいが、4弁の花の中央にスカラ家の紋章である階段(スカラ)が織り込まれている。
スカラ家の廟の隣り(?)にあるのが、Torre di Lambertiランベルティの搭。この搭は12世紀に建築が始まり、完成したのは15世紀末とのこと。入場料を払って中に入ってみることに。ちなみに、この入場料、リフト利用と階段利用では値段が違い、料金のなかにスカラ家の廟への料金も含まれている。階段を全部上がるのはつらいので、リフトを利用し、上へ。しかし、このリフト、一番上までついてはいなかった。あたり前といえば当たり前。写真を見ても分かるけれど、途中から搭は細くなっている。ってことは、リフトはその細い部分は設置できないってこと。ここまでからの、眺めもいいいけれど、せっかく来たのでさらに上まで昇ってみることに。人が二人通れるくらいの回り階段をひたすら上がっていく。で、やっとついた頂上からのながめは、最高!ヴェローナが一望できる。ヨーロッパ特有の屋根とアディジェ川の流れ。人々の喧騒が聞こえない分、その美しさを堪能できる。
さて、再びエルベ広場へ。シニョーリ広場へ行く前はあまり人通りがなかったが、10時を過ぎて、広場には市が立ち始めていた。白いパラソルの下に店を出し、水などの飲み物や野菜・雑誌などを売る店もある。(そういえば、エルベというのは野菜の意味らしい。)スイカを切って売っている店も。シニョーリ広場や搭の上の中世のヴェローナから、一気に、現実のヴェローナに引き戻される。 エルベ広場には、マドンナヴェローナの噴水(噴水といっても、マドンナの台座から水は幾筋が流れ落ちるもの)があるが、一番気に入ったのは、写真の円柱。円柱の上には翼を持つ獅子がのっている。奥の古い家々の壁はフレスコ絵で飾られている。 この円柱を背にして、Corso Porta Borsari ポルタボルサリ通りを進む。少し歩くと、大きなエレガントな古代ローマ時代のPore Dei Borsari ボルサリーニ門をくぐると道は、Corso Cavourカヴール通りに。この通りは道幅も広く、交通量も多い。門の外側は公共の交通機関も運行されている。左右に1つずつある教会をすぎると、右手にちょっとした芝生の植わった広場が。この公園のような広場の左隣が、古城Castelvecchioカステルヴェッキオ。現在この城は美術館として使用されているが、今回は中を見ずに終わらせた。 この広場から望む、赤と白のレンガで造られているPonte Scaligeroスカリジェロ橋とアディージェ川の流れのコントラストがとても素適だった。カステルヴェッキオを越すと、スカリジェロ橋に辿り着く。途中まで渡ってみることに。いくつかのでっぱり(なんて言うのか分からない・・)を持っているレンガ積みの橋。ここから、アディージェ川を眺めるのも心地よかった。
 次に、橋を戻り、サンゼーノマッジョーレ教会を目指すことに。この橋からしばらくの間は、アディジェ川に沿って、車道よりも数段高い位置に遊歩道が設置されている。川からの心地よい風を受けながら、対岸の景色を楽しみ歩くことができる。 ヴェローナ最後の見学場所はこの、サンゼーノマッジョーレ教会S. Zeno Maggiore。ロマネスク様式の大きな教会で、写真の建物の右側に大きな搭を持つ。この教会は、2つの見所がある。1つは、写真上部の黒いバラ窓。そしてもう1つは、24枚のブロンズ(青銅)製の浮き彫りがある扉で有名な教会である。写真の中央、黒い部分がそこに当たるのだが、現在は木の扉が外側にあり、風雪から守られている。その木製扉の両脇には2頭のライオンが鎮座している。写真左手に教会への入口があり、入場料を払うと、教会内部に入れる。この教会は、服装規定があり、タンクトップなどの、肌を露出した服装での入場は許可されない。入口に絵入りでそのことが記されていた。(話には聞いていたが、実際に実施している教会は始めてだった・・)扉のレリーフだけをみたいならば、少しあいている木の扉越しからでも鑑賞は可能。扉以外に印象に残ったのは、入口を入って左手に広がる、小回廊。緑の芝生を囲むように回廊がつくられている。木製のベンチもあるので、座って物思いにふけるのもよかった。
駆け足で回った、ヴェローナ観光もブラ広場に戻り昼食を食べて終了。時間にもう少し余裕があればもっといろいろなところを見てまわれたので、ちょっと残念。しかし、古代から中世そして現代と、さまざまな史跡の中で、歴史の流れの中ではぐぐまれてきた町Veronaに20世紀が終わるこの年、訪れることができたことをとてもうれしく思った。 ホテルに戻り、荷物を持って、ヴェローナの駅に。昨日の到着時に予約をしておいた、Verona15:28発の列車に乗車。列車は予定通りMilanoに16:55着。ミラノの駅のスーパー(なん食料品から日用品。旅行グッズもある)で、ワイン・水・サラミetcの夕食を買う。地下に階段で降りて、ホテルのあるワグネル駅に地下鉄で移動。乗り換えが2回あったが、どうにか無事に駅に。で、ミラノで困ったことは、地下鉄は階段だったってこと。荷物は最小限にしてはいたが、それでも、階段はきつい。さらに、歩道と横断歩道との段差がきつい。スロープになっていないので、転がしにくい。駅からホテルまでは500mほどのと見当だったが、徒歩8分ほど掛ってしまった。今日はホテルでゆっくりして、今日までの疲れを取って、明日は再びスイスに戻り、ツェルマットに・・・
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