11日目(8/25) ジュネーヴ(アヌシーへ)

  ジュネーヴの朝は快晴。今日1日は、予定通りフランス・アヌシーまで足を伸ばしてみることにしました。7時過ぎに朝食を食べ、荷物を持って昨日確認したバスの発着所に。そこのオフィスでアヌシーまでの往復のチケットを購入。1人、往復で28Sfr。バスは、日本にある普通の観光バス。エアコンも効いていてまずまずの乗り心地。8:30に10名足らずの乗客を乗せて、出発。St.Julien・ Cruseillesなどの町を通りながらアヌシーAnnecyを目指します。バスは、ジュネーヴの町中を抜け、少し進むと国境。特にパスポートチェックもなく、そのままバスは通過。なんか、路線バスの感覚。昨年バスでスイス・ルガノからイタリアに入ったときにはしっかりとチェックがあったのとは大違いです。フランス国内に入って、町の様子が変わったようにも思えるが、とりたてて、ここが!という感じではないか。やはり、地続きということなのか?ただ、大きな違いは、緑の奥深さ。草原というか緑のじゅうたんが続き、かなたには山の連なりもあるのだが、そこまでの距離が、スイスよりは広い。スイスの迫り来る山々?という感覚はここにはない。しかし、逆にこの辺が大きな感動にもなるか。 途中、名前の分からない大きな吊り橋状の橋を右手にみながら渓谷を渡り、進んでいく。やがて、アヌシーの町中に入り、いくつかの停留所を経て、駅前に9:45到着。さて、バスの途中の町中といい、この駅前といい、どうも私がみたかったアヌシーとは程遠い、ただの普通の町。中層ビルとオフィスと車の町。一瞬、まずいことになったかな?と同行者の顔色をうかがう。でも、ここまで来てしまったからには仕方がない、今日1日はここで過ごすしかないのである。
で、まずは、観光局を探すことに。But!これがない。バス停は国鉄の駅前。スイスでは必ずといっていいほど駅周辺にあるiがみつからない。あるのかもしれないが、見つからない。困った。パンフレットらしきものもない。フランスは、ここしか来る予定がなかったからガイドブックのたぐいは何1つもって来ていない。まずい・・・どうしよう?そこで、とりあえず湖らしき方向に歩くことに。私たちのイメージするアヌシーは湖と旧市街の街。きっと、湖の方向に行けばあるはず。信じて歩を進めることに。名前の分からない、通りを進むこと4〜5分。ティウー運河に辿り着く。運河沿いの道や橋の上は花で飾られ、すごく感じが良い。なんとなく、ここで一安心。ちらっと、左手先の橋を方を覗くと、なにやらすごい人が。何かをしているらしい。そこで運河沿いを歩いてみることに。すると、橋から先で、マルシェがたっているではないか。どうやら、ここアヌシーでは毎週土曜日にで市が立っているらしい。偶然とは言え、このような地元の人の生活観あふれるときをわずかとは言え、一緒に過ごせるとは・・・残念ながら、フランスフランを用意していないので買い物をするというわけにはいかなかったが、路地の1つ1つを歩きながらマルシェを覗くことに。花屋さんやお肉屋さん、チーズを売る店、そして、魚屋さん。いろいろな種類のお店が軒を連ねている。どれもこれも美味しそう。そんな中で一番驚いたのは、マグロ。まさか、縦にぶち切りにして売っているとは。まあ、様でお刺し身で食べるわけではないから、これでいいのかな?
さて、いよいよ石畳の旧市街を抜け湖に行くことに。途中、坂を登るとアヌシー城との矢印があったが、今回は行かないことに。なにせ連れがもう登りは嫌だというので。このお城の中には美術館も併設されているらしい。お城からの旧市街の眺めをみたかったが断念。マルシェを背に17世紀初頭の面影を残した道をそぞろ歩き、突き当たると、小さな小道が。それを曲がる。するとその運河沿いの道の左手にはなにやら重厚な石造りの建物が建っている。そういえば、この建物の入口でチケットを売っていたな?とか思いながら進むと、その道が大きな橋の上で合流大通りとぶつかった。後ろを振り返ると、その建物はなんと、運河の中に建っているではないか。この建物、パレ・ド・リル〜PALAIS DE L'ISLE〜と言うもので、牢獄や裁判所、城の一部として使われてきた歴史があるようでした。川の真ん中にあるから、やはり逃げにくいということなんでしょうか。橋からの牢獄搭の眺めは中正にタイムスリップをしたようでとても素適です。
 そのパレ・ド・リル〜PALAIS DE L'ISLE〜を橋を挟んでアヌシー湖はありました。湖岸には何そうかの船が。これに乗船して、アヌシー湖遊覧をすることに。時刻は11時半近く。ちょうど良い船があると良いのですが。どこで、どこでチケットを買うのかで大悩み。どうにか1人63FFの切符を手に入れたときには、発船まで5分少々。おお慌てで11:30発の船に乗り込みました。間に合って良かった。これに乗船できないと2時過ぎまで船がないところでした。もう少し事前の準備が必要ですね。薄日が差す中、船は滑るように湖を渡っていきます。フランスのみの案内なので言っていることはさっぱりと分かりませんが、別にアナウンスがなくても心地よさと美しさは減るものではありません。湖の左岸に沿ってまずは、インペリアルパレスというホテルが。パレスというだけあってお城のような佇まいです。Plage d’Albigny・Veyrierの村を遠景にみながら進むと、Le Chateau de Menthenが丘の上に望めます。遠くには山並が見え、ここがフレンチアルプスの一部であることを感じさせてくれるのでした。小さなお城が湖岸沿いにいくつか点在する中、ひときわ印象に残ったのが、進路を変更する際に見えたLe Chateau de Duing。水門を持つ城です。戻りの船の中からはやはり湖岸沿いに小さな村と海水浴場が見え、のんびりした雰囲気を醸し出しています。 海外での湖といえば、インターラーケンのブリエンツ湖とツゥーン湖で船に乗船したことがありますが、少し趣が違う感じです。スイスでは遊覧船ではありますが、移動の手段として船を利用したのに比べ、今回は景色を楽しむだけというのも大きな要因になっているとは思います。アヌシー湖は小さな湖ですが、緑がかった青く透明な水と丘の上や湖岸に点在する城、晴れているのに霞がかったようなけむるような空の色。まるで童話の中の湖のような雰囲気がありました。クルーズはちょうど1時間で終了。この湖ではランチやディナークルーズも行なっているようでした。時間があわなかったのが残念です。
 湖の隣りには、ヨーロッパ公園があります。緑の芝生がとても美しい公園です。ここで、ジュネーヴから持ってきた昼食を食べることにしました。ベンチに座り、湖から吹く風に髪をなでさせ、のんびりとしていると、自分が旅行中であることを忘れさせてくれます。時刻もお昼ということで、観光客だけでなく地元の人達も三々五々集っては、思い思いの場所でお昼を食べているようでした。この公園と対岸のパギエ公園結ぶ橋は「恋人たちの橋」よ呼ばれているそうです。 バス停は、アヌシーの駅前、降車した所と同じ場所です。発車の20分前にオフィスのドアが開き、切符を売り始めます。そして、5分前から乗車させてくれました。定刻通りに出発したバスは、まずは、アヌシー市内を行きます。ここで、トラブルが。1人の初老の女性が突如として文句を言い出しました。なんでも自分の行きたいところに行かないらしい。すごい剣幕です。運転手さんも困り顔。ここで下ろすなとか言っているらしい。このおばさんが去って一段落したら、今度はパスの読み取りが効かなくなったらしく、運転手さんは大汗。手動に切り替えて、どうにか対応。ちょうど座席が一番前だったので、なんか観察してしまいました。そうこうしていると、おもむろに、私服の係員らしき人が乗ってきました。そして全ての乗客のチケットを調べ始めました。もちろん、自分達のも。スイスでも検札のない電車等で抜打ちの件札を行ない、切符を持っていないと多額の罰金を取られるということを聞いたことがありますが、これもそうなのでしょうか?でも、このバスっ乗るのは前からだけで、必ず切符のチェックはあるのですが?それとも、運転手さんの不正防止?よくわかりません。
 そのあと、バスは順調にジュネーヴに進みました。車窓で1つ印象に残っているのは、地名を忘れてしまったのですが、まるで、日本の新興住宅街のような規格化された土地に建ち並ぶ家があったこと。まるで建売住宅を思い出させてくれました。 3:30過ぎにジュネーヴに帰着。水などを購入してホテルに戻ります。7時過ぎに予約を入れた、レザルミュールというジュネーヴ最古のスイス料理店で夕食を頂きました。昨年も行きましたがなかなか美味しいチーズフォンデュを頂くことができます。初めてのフランスの地、アヌシーはスイスととても似通った所があった気がします。しかし、とても美しく良き思い出を私たちに残してくれました。さて、明日は最後の宿泊地、チューリッヒに移動です。
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