13日目(8/27) チューリッヒ

  実は、チューリッヒと私たちには、切っても切れない因縁がある。どうしても、その因縁を切ることができずにここ数年個々チューリッヒで過ごす羽目になっているのだ。その因縁とは雨。晴れ女のnaoeは、この旅行中もほとんど雨に降られることなく過ごしてきた。いつもの夏もそうそう雨にであったりはしない。しかし、ここチューリッヒでは必ずと言っていいほど、雨に出遭う。というか、雨が降らないことはない。それに、傘を持っていてもロッカーにしまってしまったりとかホテルにおいてきたりとか、運にも恵まれていない。そんな私たちだが、今日はいったいどうなのだ?思いっきりの希望を込めて、カーテンを開ける。外は・・・雨!!それも、生半可の雨でない。お互いに顔を見合わせつつ、とりあえずは朝食を食べに。ホテルマリオットのレストランの窓の外は坂道。その坂道に雨が打ち付け、さらには、まるで滝のように水が流れていきます。まるで、バケツをひっくり返したような状態。はっきり言って、いままで最高の降り方としか言いようがないです。朝食を食べていてもなんとなく、皆で外を眺めてしまいます。本来なら今日の予定は、シュタインアムラインの観光とクルーズだったのですが。この雨ではどうも気が乗りません。そこで、別の行動をすることにしたのですが・・・
で、何を計画したかといえば、アウトレットに行こう!というものでした。昨年メンドリッシオのフォックスタウンに行きましたが、ここチューリッヒにも空港のそばに、フォックスタウンができたようなのです。そこで、雨に濡れることなく買い物をということで出かけることにしました。まずホテルで、鉄道での行き方を調べてもらいホテルの傘を差してHBに。ここからS5に乗って、(そういえば、Sバーンに乗るのは創めてかも)目指すは、Rumlang。なんと発音してよいのかも分からない駅だが、とりあえず、HBから5つ目位にあるらしい。ICなどの幹線鉄道のアナウンスはとても聞き取りやすいのだが、どうもこのSバーンのは何を言っているのかが分かりにくい。2階建て車両のためjか、駅名の表示もとっても見にくく、あせりまくりの十数分間だった。で、着いたRumlang駅には、何があるかといえば、何もない。あるのは売店だけ。ホテルの人は駅からタクシーに乗れとか言ったけれど、タクシーのタの字もない。何やら連絡先は書いてあるけれど、ホテル以外から電話をしたことがないから、手も出ない。更には、ほとんど人もいないし、どうやら無人駅。これはまずいことに!・・・・なぜか、HBからさほど離れていないのに、雨が止んでいるのも憎たらしいとか思いながら、途方に暮れた。 しばらくたたずんでいると、売店に新聞やらと取りに来る人がいることを発見。つたない英語でFOXTOWNの場所を聞く。すると、無情にも、「今日はお休みじゃない?」とか「あっちのほうに歩けば・・・」とかの返事が。「やっ休み?」「歩け?」またまた顔を見合わせ、途方に暮れる私たち・・・やはり、チューリッヒとの相性は最悪なのか?そんなとき、1台の車が。初老の男性が新聞を取りに来たらしい。最後の頼みの綱?って感じで、もう1度FOXTOWNについて聞く。この人が実は・・・途方に暮れていた私たちが声をかけたこの人、実は私たちにとって救世主だった。何と彼は、車でFOXTOWNに連れていってくれるというのだ。ちょっと、まずいかな?という考えがよぎらないでもなかったが、まあ3人対1人だし、どうにかなるんでない?っていう感じで好意に甘えることに。で、車で数分の所・歩けば20分ちょっとかな?って言うところにFOXTOWNは鎮座していました。しかし!!やってない。閉まってる!まあ、考えてみれば当たり前なのだけれど今日は日曜日。でもね、でもね、ホテルの人には先に確認したのよ。「日曜日だけどやってますかって?」それに対して、「大丈夫ですよぉ〜」って、答えられたはずだったのに・・・(でも、会話力ないからなぁ)。諦めて、彼に恐る恐る駅まで戻ってくれるように頼むがしかし、車は、どう考えても駅方向とは違う道に。ちょっと、パニック。そんな彼が連れてきてくれたのは、なんと、クローテン空港だった。飛行機が離陸するところを間近にみることができるにスポットだったのだ。ひえぇぇ〜。飛行機大好きな連れはもう大喜びだし、。私も感激。さらには、場所を変えて離陸まで見せてくれる大サービス?この人はいったい誰なんだろう?で、今度こそ駅に行くの?と思っていたらさて、次に車が向ったのは、家庭菜園?ガーデニングようの場所で、ハーブやらぶどうやらを栽培しているとのこと。幾つもの区画に分かれてその1区画の中で好きにいろいろなものを栽培しているのだ。
 次に向うところ、こんどこそ駅のはず。だって、ちゃんと駅に行って下さいってお願いしたもの。もうこの当りで私の方向感覚は狂っていてどっち方面に進んでいるのかわからない。 と、彼から質問が。アンディフグって知ってる?アンディフグは私のかすかな知識に寄れば、スイス出身のK1チャンピオンだったはず。スイスではとても人気があるはず。そんなことを言ったら、彼日本で亡くなったよ・・・・????えええ???後で分かったことだったけれど、アンディフグは滞在先の日本で病気のため亡くなったとのことだった。まさか、彼の死をスイスで聞くとは・・・・ちょっと複雑な思いが。
で、車が止まった先はなんと、彼の家の地下駐車場だった。最後になんと、自分の家に招待してくれたのだ。驚きもここまで来ると、どうにもならない。アパートというべきかマンションというべきか、ちょっと難しいのだが、まあ集合住宅の中に彼の家族の家は在った。お子さんは独立されて奥さんの2人暮らし。今は以前は警察関係の仕事をされていたが今は引退して専業主夫。奥さんは書店関係にお勤めとのこと。家の仕事は、基本的にご主人がこなしていて、洗濯は奥さんの仕事。だから、私たちがお邪魔したときに、お茶を入れてくれたのはご主人で、主に会話をしてもてなしてくれたのは奥さん。家の中はシンプルだけれどもとても居心地がよい。ご主人と奥さんの紋章が飾ってあったり、古い家具を大切に使っていたり、手作りのものがそこかしこに置かれていたり。決して新しいものに溢れてはいないけれど、快適な生活ができるように気を配られている。窓の外のベランダからは山々が眺められるとのことだったけれど、あいにくの雨のため、みることはできなかった。いつまでもお邪魔していたいところだったけれど、近くに住む娘さんがきたのを機に失礼させて頂くことに。帰りは何とホテルまで送ってまでくださって感謝の言葉もなかった。
で、この後はどうしたかって?日曜日でお店が開いているはずもなく、雨も降っているってことで、とりあえず、駅の地下街に繰り出して買い物をして終了。でも、そんな買い物とか、FOXTOWNが閉まっていたとか、そんなことは、軽いこと!って言い切ってしまえるほど、貴重で思い出になる1日を過ごせてしまった。こうなったら、チューリッヒの雨に感謝を捧げないとね。それにしても、ここで、お名前とか写真を公表するのは差し控えさせて頂きますが、見ず知らずの私たち一行に暖かい手を差し伸べてくれたご主人と、突然お邪魔したにも関わらず快く迎えてくださった奥様にこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
inserted by FC2 system