2日目(8/18) クール→ベリンツォーナ→ルガノ)

クールの朝はアローザ行きの電車の引込線の音と、窓の下を走る車の音で明けた。12時間以上の飛行機の旅の後ということもあって、まずはぐっすりと眠れたようだ。朝食の前にクールの町の散策に。まだ、7時代ということもありちょっと、薄暗い町中を前日にもらった地図を頼りにぶらぶらとしてみる。赤と緑の足跡をたどりながら、いろいろと見てまわる。ポスト広場の噴水の前を通り、ちょっとした露地に入ってみる。人通りも未だ少なく、静かで落ち着いた雰囲気を味わうことができる。家の壁に描かれた絵がとても、かわいらしく、その絵自体は決して古くはないのかもしれないが、古い都であったChurを味わうことができる。市庁舎の横を抜け、聖マルティン教会、坂を登って司教館・大聖堂を見てまわる。クールはスイス最古の都ということだが、ローマ帝国時代の雰囲気をわずかながらでも感じることができる。今回はルガノに移動する前それも、朝食前という短い時間での散策になってしまったが、時間が合ったらもう一度、ゆっくりと見て回りたい町の一つだった。
その後は、朝食をホテルでいただいて、PTTに行きベリンツォーナ行きのバスの時刻を調べることに。本当はサンベルナルディーノの峠越えのルートをとりたかったが、乗り継ぎの便とルガノへの移動を考えて断念することに。これはちょっと残念。バスは9:10発のものを予約。再びホテルに戻り、チェックアウト!たった、1泊だけれどまずまず満足の行くホテルだった。バスターミナルに出る前に、鉄道の駅でスーツケースをツェルマットにライゼゲッペクする。これで、大分荷物が少なくなった。バスを待っていると、クール発ツェルマット行きの氷河特急が発車。どうやら、自分たちのスーツケースもこれに乗っていってしまったらしい。
さてバスは2階建てで、乗車前に名前の確認があった。予約なしでも乗れたようだが、見晴らしを取るならやはり予約をしておいた方がいいと言うことか。このバスはサンベルナルディーノのトンネルを抜けダイレクトで2時間ちょっとかけてクール・ベリンツォーナ間を結んでいる。初めのうちは市街地を抜けていたバスは、ヒンターーライン川沿いに次第次第に高度を上げて行く。時には小さな湖が見えたりするが、観光客の姿を見掛けることはなく、本来のスイスらしさを垣間見ることができたのかもしれない。また、窓の外には牧草地が広がっていく。鉄道か眺め見る牧草地とまた異なり、奥行きはないが、その分手付かずのような感を与えるのは気のせいだろうか?サンベルナルディーノトンネルはとても乗り応えのあるもので、時間を計っていたはずが気付くと分からなくたっていた。しかし長かった。あとは、バスは峠をぐんぐんと下るだけ。モエサ川にそって今度はメゾッコの谷が広がり、更にはぶどう畑が続いて行く。残念なことに小雨が降ってきた写真を撮ることはできなかった。でも、記憶にはしっかりと焼き付けたはず。やがて、バスは町に降り、ベリンツォーナの駅前に到着した。
ベリンツォーナでまず、ボストンバックをコインロッカーに。そして、ここでは、古い城跡を見るのが目的。まずは駅前の通りを左に進み、途中右折してカステルグランデに行く。城壁の下に直通のエレベーターがありそれで、一気に城跡に。石積みの城壁は風月に耐え、その重々しさを今にしっかりと残している。この城は長い城壁と2つの高い塔からなり、その搭にも上がることができる。ここからは街が一望できる上に、向かいに建つモンテベッロ城・サッソコルバ城ものぞむことができる。城壁の外の芝生ではそこで行われるオペラの準備が進められていた。特に何もない城跡ではあるが、かつてここが、さまざまな面で重要な土地であったということを感じさせてくれる。そしてまた、ときの移ろいというものをも、この心に投げかけてくれる。この城を後にして次に目指すはモンテベッロ城。教会の左横から坂道を登っていく。登り始めてすぐに古い城壁の後が続いているのがよく分かる。ゆっくりゆっくり時間をかけて城に辿り着く。こんどは、こちら側から先ほど見たが眺められる。先ほども思ったことだが、この地がかつて交通の要所であり、この砦でその流れを監視していたということを時代を超えて確認することができた。
さて、ベリンツォーナの後は、電車で一路ルガノへ。しかしお腹が減ってきた。ベリンツォーナで食事の予定が、駅にビュッフェがなく(駅前も工事中)、やむなく食事をあきらめた。しかしこれが大正解!ついたルガノで駅のビュッフェにとりあえず入り、食事を注文!なんと、メニューがイタリア語しかないというアクシデントをどうにか乗り越え、頼んだ料理はミラノ風リゾット・ベジタブルレシュティ・ミートスパゲティ。しかしこれがとてもおいしい!はっきりいって、今まで食べた駅のビュッフェで1番といっても過言ではない!もう、大感激!特にミラノ風リゾット・ベジタブルレシュティは大満足の1品。さて、お腹さえいっぱいになればあとはホテルにむかうだけ。駅前からトロリーバスに乗り、ホテルHOLYDAY INN LUGANO CENTERのあるParadisoへ。 クール・ベリンツォーナといつものスイス旅行とはちょっと違う、歴史を訪ねる旅になってしまったが、移動の途中でさまざまなものに触れることができ、とても満足できた1日であった。、
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