4日目(8/4) フィレンツェ(サンジミニャーノへ)

  本日のお天気も快晴。起床はまたまた5:30。今日も恒例の朝のお散歩に出かけましょう。今日のお散歩コースもドゥオーモ周辺。この早朝人気のないドゥオーモ周辺の雰囲気がとても気に入ってしまいました。7時からの朝食を済ませ,今日もまた中央市場でワインとフルーツなどのお買い物をしてから、目的を目指すこととしました。 今日の目的地は『美しき搭の町〜San Gimignano〜サンジミニャーノ』です。 駅前のSITA社専用のバスターミナルでまずは、切符を購入。フィレンツェからポッジポンシ経由サンジミニャーノまで片道10500Lit(日本円で600円弱)です。この切符売場で往復のチケットを購入。クレジットカードは使えず,現金絵の支払いとなりました。バスは8:30バスターミナルを出発,フィレンツェの町を抜けます。意外と細い路地のような道路を走りアルノ川を渡ります。川を渡ってすぐ右手に城壁が。さらには大きな城門も見えます。SMN駅から町に入ると気が付きませんでしたが,ここフィレンツェにもまだ昔の城壁のなごりが残っているようです。 しばらく進むとバスは高速に入りました。スピードメーターもかなり上がって行きます。バスの前にキャンピングカーを引っ張った車が走っているのですが,バスの運転手はこのスピードは気に入らないらしく,後ろから煽ること煽ること。お願いだから事故らないでね・・・と思わず祈りたくなりました。煽られ過ぎてびびった?車が退いたのを良いことに更にバスはスピードを上げます。車窓には穏やかなトスカーナの風景が広がっているはず・・・なのですが,naoeにはそんなものを楽しむ余裕なんぞありません。元々車は苦手なのに,まるでスピード競争をされているみたいで,生きた心地がありません。お陰で?Firenze〜Poggibonsi直通バスは定刻の9:20よりも10分も早く,Poggibonsiに到着しました。これはイタリアでは珍しいことかも。ポッジポンシまでは鉄道でも来ることができるのですが,乗り継ぎの便が悪いので,バスにしたのです。さて,実は今日は土用日。昨日SITA社の窓口で聞いた情報では,フィレンツェを9:00に出発,Poggibonsi10:20着,Poggibonsi10:25発のバスしかなとのことでした。土曜日は8:30のPoggibonsi直通バスは運行されないからって。でも,ターミナルに行ったら,8:30発と9:00発の2台が停まっていて,8:30の運転手にこれでサンジミニャーノに行ける?と聞くと大丈夫というではないですか。ということで,駄目もとで乗ったのです。ですから,サンジミニャーノ行きのバスがいったいいつ来るのか,めちゃくちゃ不安です。 道路を反対側に渡り,サンジミニャーノ行きのバスを待ちます。件の運転手によれば9:30発のバスとのこと。しかし,なかなかバスはやってきません。バス停の周囲にはそれでも三々五々人が集ってきています。9:40近くになってやっとバスが来ました。ワゴン車を2周りくらい大きくしたちょっと小さ目のバスです。早速乗り込むと刻印をします。(バスも刻印するなんてちょっと不思議・・・)。 小さなバスはPoggibonsiの町を離れ,だんだんと道を上ってきます。その途中,一面の向日葵の畑が・・・見渡す限り黄色の絨毯を敷き詰め,かなたには丘陵が広がる様は,大地の恵みと美しさを実感させてくれます その景色が切れるとSan Gimignanoの街が見えてきました。丘の上に忽然と姿をあらわした街。幾重にもそびえる塔の数々。いよいよ,美しき搭の町San Gimignanoに到着です。
 バスは,Piazzale Martiri Montemaggioに着きます。奥に大きな駐車場,手前の方には小さな商店がある広場です。この広場に面して,石造りのPorta San Giobanniがそびえています。そして,この門の向うには,サンジミニャーノをサンジミニャーノ足らしめている,搭の姿が見えるのです。かなり厚みのある門をくぐると,サンジョヴァンニ通り ViaSan Giobanniがほぼ真っ直ぐに続いて行きます。道はおよそ500mくらいはあるのでしょうか?両側にはエノテカやお土産やさんが並んでいます。 だらだらとした上り坂の石畳の道です。まずは,このメインストリートを進み,チステルナ広場を目指します。 チステルナ広場P.za della Cisternaにはちょっと変わった形をした13世紀の井戸〜チスルナ〜があることからこう呼ばれています。写真だとちょうどシルエットになっているのが井戸〜チステルナ〜です。この広場までやってくると,いくつもの搭が目に入るようになってきます。ここからの数々の搭の眺めはなかなか壮観なものがありました。また,この広場の周囲には,古い建物が建ち並ぶと共に,カフェがお店を開いています。
 チステルナ広場と一部を接するようにして,P.za.Duomoドゥオーモ広場が広がっています。ドゥオーモ広場に面した建物の中にサンジミニャーノの「i」はあります。 ドゥオーモ広場にはサンタマリア・アッスンタ教会,ポポロ宮殿,7つの搭,併設の美術館があります。サンタマリア・アッスンタ教会(ドゥオーモまたはコレジアータ)は1148年に建立された12世紀のロマネスク様式の教会で,広場から教会に面しての幅の広い階段がなぜかとても印象に残っています。外見は,フィレンツェにあるサンロレンツォ教会に似ています。あの横縞というのか,石を積んだ後の横に走った線がない感じを想像してもらえれば良いかもしれません。この教会は外観は本当に質素ですが,中は左右の廊にはフレスコ画が描かれ,まるで甲斐が間のような趣きがありました。さらに,この教会の中には,スミレの聖女サンタフィーナを奉った礼拝堂があります。 ポポロ宮殿(市立美術館)は13世紀に建てられた建物で,ドゥオーモと直角を成すような位置関係で広場に面して建っています。ここは今でも市庁舎として利用されていますが,忘れてはならないのは,14世紀に造られた宮殿の中庭から登るグロッサの搭でしょう。この搭の高さはおよそ54m,180段はあったはずの階段を上りきると,そこからはサンジミニャーノの街と遥かに広がるトスカーナが見えてきます。レンガ色をした瓦屋根と緑の畑,その色のコントラストは中世の頃から何らかわることなく,続いているのでしょう。
ドゥオーモ広場周辺を見終わり,再び北西に向かって歩いてみることとしました。その途中の小さな広場には移動の魚屋さんがお店を開いていました。小型のワゴン車のような車の荷台にお魚を並べて売っているのです。そろそろお昼を過ぎている頃合いなのですが、地元の方らしき人達が三々五々集って買い物をしていました。 北西に向かう通りはVia San Matteoです。この通りの両側にもエノテカやお土産やさんやカフェなどが建ち並んでいます。しかし,メインストリートであるサンジョヴァンニ通り と比べると,少し人通りは少なくなっています。 その通りをほぼ突き当たるくらいで右折したところにあるのが(ちょっと乱暴かな?)サンタゴスティアーノ教会。13世紀のロマネスクゴシック様式の教会なんだけれど,ちょっと教会を見るのも疲れてきたので,ここはパス。そろそろお腹も空いてきて,お昼にすることにします。 私たちがお昼を食べたのは,La Mangjatoia〜ラ マンジャトイア〜というお店です。La Mangjatoiaとは“軽食堂”って言う意味らしいです。初老のオジサマとその姪御さんとが切り盛りしているお店で,Via San MatteoがPorta San Matteo(ポルタ・サン・マッテオ)とぶつかる手前を左に折れた左側にあり,12:30開店です。レストランの中には音楽が流れ,この女性が注文を取りに歩きます。この女性は片言の英語ができるの(英語のメニューもあり)。今日の昼食は,茸のリゾット,ビッグスパッゲッティとビール,ミネラルウォーター(もちろんガスなし)。ビールとお水は,テーブルの上にある茶色の陶器製のコップに注いで頂きます。で,ここのお料理は絶品です。パスタはめちゃくちゃしこしこしていて,弾力性でもあり,ミートソースもGood.リゾットもう〜ん、うなってしまいます。全然気取っていないし,すごく手の込んだお料理はないみたいなのだけれど,っとても気に入りました。
食事を終えて,今までの道を戻り,再びPiazzale Martiri Montemaggioに向かいます。それにしてもどこからでもを見ることが出来ます。チステルナ広場を過ぎ,ViaSan Giobanniへと歩を進めます。そこから横に一本伸びている道に入ると,辺りの風景は一転します。建物の外観にはさほどの違いはないのですが,そこには生活臭が充満しています。洗濯物が干してあったり,なんかお昼の臭いがしたり・・・道に椅子を出して談笑する人がいたり・・・表通りのちょっと取り澄ました,面の顔とはちょっと違った今を生きている顔を見ることができます。それにしても,世界遺産という街の中で生活をして行く・・・なんか想像できそうで,難しそうなものです。 さて,再びサンジョヴァンニ通りに戻る途中,入口でワインを売っているんだけれどエノテカではない・・・そういうちょっと不思議な建物に遭遇。みんな中に入っていくので,勇気を出して中に入ってみました。その建物の中を抜けるとベランダというのかテラスのようなところに出ました。そこからは,ドゥオーモ広場方向の塔が見えるのでした。ただし,『静かに・・・』っていう看板つきですけど。ここからの眺めはなかなか乙です。手前の家々と搭のコントラストが歴史を感じさせてくれます。あまり目立たないかもしれませんが,ここはオススメの搭の鑑賞スポットかもしれません。 最後に,ここサンジミニャーノの特産といえば,『Vernaccia di Sangimignano』ちょっと琥珀色がかったDOCGワインです。サンジョヴァンニ通りにはいくつものお土産やさんとエノテカが並んでいるの,どこでも必ずこのヴェルナッチャサンジミニャーノを売っています。で色々とお店の中を見て歩いた結果分かったことは,日本でもイタリアでも共通点はあるんだということでした。街の入口,すなわちバス停というか駅などに近いほうのお店の方が,同じ品物でも安い。中心部に行くに連れてだんだんと値段が高くなる・・・ってことです。そういう意味ではこのとおりは京都の清水寺の前の参道とそっくりかもしれない・・・なんて思ってしまいました。ただ違うのは,やたらと試食を勧めないことかな?ちなみに、某ワインが中心部では12000〜13000Lit,Porta San Giobanniそばになると9000LItまで下がります。余談ですけれが,次の日同じワインをフィレンツェのエノテカで見つけました。ここではなんと21000Litで売ってました。唸るしかないって感じでしょうか。 帰りのバスは,Porta San Giobanniを背にして,Piazzale Martiri Montemaggio右手側の駐車場の隣りのバス停に停まります。ここからPoggibonsiでシエナから来るバスに乗換えてフィレンツェに戻りました。ちょっと疲れてバスの中ではうとうととしてしまいました。 サンジミニャーノは,落ち着いた心地よい街でした。ゆっくりとした時の流れと重厚な建物,自然の色・・・・心を癒してくれる・・・1つ1つの建物や絵画はそれだけで万の人を呼び込むものではないかもしれません。しかし,街と搭と石全体のもつ温かさと趣とが旅人を魅了して止まない街でした。ゆったりと街のもつ心地よさの中に身を浸して1日を過ごして欲しい・・・・そう思ったのでした。
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