6日目(8/6) フィレンツェ→ツェルマット

 フィレンツェの滞在もいよいよ終わりとなりました。今日は,スイス・ツェルマットへと移動します。フィレンツェの街は,当初の予想を良い意味で裏切ってくれたような気がします。まるで,スルメイカのように,噛めば噛むほど味が出てくる街でした。 そんな,フィレンツェの街のひとこまを・・・。私が泊っているホテルの前はバスも通る片側1車線の石畳の道と歩道になっています。朝の5時半をまわった頃,作業服に身を包んだ男の人が,歩道をホウキをもって歩いていきます。もちろん歩きながら歩道の上に捨てられているゴミを車道に落としながらです。そのあと,今度は1台の車が‘ぐうぃぃぃ〜ん’という音と共にゆっくりと進んでくるのです。その車は,車体の前から車道に落とされたゴミを掬い上げ,さらに後ろからは散水するという優れもの?なのです。スピードは速くはないのですが,確実にその車が通っていった後には,歩道にも車道にもゴミはなく,車道には打ち水までされているのです。この車の名前は何なのかは分からないけれど,街の美観を守るための作業なのでしょうか?スイスでも朝早くから車が道路上のゴミを拭くっていくシーンには何度かお目にかかっているのですが,散水までしていくのは,初体験です。
さて,この日も朝早くからお気に入りのスポットになってしまった,人のいないドゥオーモ周辺に出掛けました。何度観ても,静けさの中で朝日に当たって搭の上部がうっすらと茜色に染まりゆく様は趣があるものです。ドゥオーモ・洗礼堂・ジョットの鐘楼の周りをゆっくりと歩みます。ドゥオーモは正面の入口とは反対側から向かって右手にかけて足場が組まれ,お化粧直しの途中でした。お化粧直し途中の側面は緑やピンクの大理石の色がなんとなく濃いのです。濃いという表現はちょっとおかしいのかもしれませんが,美しい淡い色ではない・・・と思って下さい。その他何年に1回ぐらいお化粧直しをするのでしょうか?やはりの汚れは,大気汚染の影響が大きいのでしょうか?ちょっと考えさせられてしまいます。
朝の散歩を終え,レストランに直行です。このホテルでは朝食は7時から頂けることになっているのですが,7時ちょうどにレストランが開いたことはこの4日間一日たりともありませんでした。さすが,イタリア!って感じです。でも,この朝食ビュフェ式なのですが,ボリュームもあってなかなかのお味でした。パンも種類は豊富だし,お米とインゲンのサラダとかソーセージなども饗されます。このホテルの一番のお勧めは朝食でしょう。
ホテルをチェックアウトとして,まずは,Firenze S. M. N駅へ。ここから、Milano Centrale駅までETR 9428 に乗車します。この列車は9:13にここフィレンツェを出発する予定だったのですが・・・案の定?定刻通りにはいきません。他の列車の入線番号が次々のディスプレイに映し出される中,ETR 9428だけは,なんの表示も出ないうちに,出発時刻になってしまいました。内心の動揺を押さえつつ,まあ、画面に見入っていると,やっと入線番号が出ました。カートを押して一目散に移動。と,そのホームに向かって何処からも山のような人達が。どうもこの列車を待っていたのはかなりいたようです。列車は定刻よりも10分ほど遅れて発車。赤と黒のシートカヴァーが斬新な座席はなかなかの乗り心地です。発車してすぐに、切符のチェック。そのあと,カートを押して,男女のカップルが車内を進んできます。彼らは、フィレンツェから乗車した人達を確認しつつ,飲み物とお菓子(ビスケット)を配って歩いているのです。飲み物は,ジュース(オレンジジュース:ファンタだった)やコーラ,紅茶やコーヒーなどから選択ができます。ここではコーヒーを頂きました。もちろんここで言うコーヒーとはエスプレッソです。列車の中でいただくものとしてはかなり美味しい感じです。ビスケットも,ちょっと粉っぽいかな?という気もしますが,美味しく食べることができました。で,さらに喉が渇いた私達はビュッフェに行って飲み物を調達。残念ながらビールが2本しか残っていなかったので,諦めて3人で2本のビールを分け合って飲みました。うとうとと心地よい揺れに身を委ねていると,ちょうど定刻の(珍しくも!)12:00にMilano Centrale>駅に到着しました。
ミラノの駅では,まずはスーパーへ。ここミラノ駅のスーパーはかなり品揃えが良く,ワインとかも豊富にあります。ってことで,残っているイタリアリラをすべて使い切るために電卓片手にお買い物です。なにせ,2002年からイタリアリラはユーロに衣更え。使えなくなってしまうのですから。結果は,バローロのワインを2本。適当な赤ワインを1本購入。これで,イタリアリラともお別れです。 Milano Centrale駅を13:10に発車した列車は,Gallarate・Arona・Stresa・Verbania-Pallanza・Domodossolaと停まっていきます。途中からぽつぽつと雨が降ってきました。いつもならストレーザの周辺はとても景色が好いところなのですが,この日は湖の周囲はもやっていて,遠くまで望むことはできません。ドモドッソラでは,車掌さんなどの入れ替えを同時に,パスポートのチェックが行なわれました。チェックといっても通路を通って行くだけで中を確認するわけではないのですが,人によっては,中の確認が行なわれているようでした。ドモドッソラを出ると,短いトンネルが続きます。トンネルの中では一部複線化の工事が行なわれているようでした。また,トンネル内に水が溜まっているところがあったのですが,これは工事の影響なのでしょうか?シンプロントンネルを越えるとBrig駅です。いよいよスイスに戻ってきました。ということで,駅の側にある銀行でTCを現金に換え,15:45発のBVZに乗車します。この列車は,氷河特急なのですが,ブリーグから先だけの乗車なら特に追加料金や予約も必要ありません。ブリーグで下車する人が多かったため,一部の車両を切り離し,短い編成でツェルマットを目指します。ツェルマットに行くのはほぼ一年ぶりです。いつも8月の中旬以降なのですが,今年は8月の上旬。そういう事もあってか,沿線の緑の色がいつもよりもより青々と色づいている気がするのは気のせいでしょうか?心に和む景色に身を委ねながら,BVZはひたすらツェルマットに向かっていきます。17:02ツェルマットに到着。ここでもまだ小雨が降っています。天気は今一つ良くないようです。あすからの,6日間お天気に恵まれてのんびりとした日を過ごせるといいのですが、どうなるのでしょうか?
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