7日目(8/7) ツェルマット(リッフェルアルプへ)

 ツェルマットの朝はやはり、朝焼け〜MORGEN ROTE〜から始まります。怠惰に部屋のベッドから手を伸ばしてカーテンを開けると,薄靄で霞んだ空気の中,マッターホルンのシルエットが浮かびあがっています。さらに、そのシルエットの左横には,ほぼ真ん丸の形をした月がその冷たい姿を垣間見せてくれています。時刻は6時過ぎ。いよいよ空が白み始め,朝焼けの始まりです。次第次第に明るくなっていく空,それに伴ってマッターホルンも山の頂きから順に,茜色に染まっていきます。ツェルマットの魅力は数々あれど,この朝の一時はなにものにも代え難いものがあります。そして,これをみたいが故に何度でも足を運んできてしまうのかもしれません。 何度みても見飽きることのないモルゲンロートをベランダから堪能したのち,今日の予定を決めるためにTVに。いくつかの展望台の様子が生の映像で流されています。とっ突然、何とNHKのニュースが放映され始めました。日本からの客様も多いということで,行われているのでしょうか。でも、本当に久しぶりの日本語のニュースでなんか、ちょっぴりうれしくなってしまいました。語学に自信がないので,どうしても見るテレビは海外にいるとスポーツ関係ばかりになってしまうのです。 さて,8時過ぎ,レストランも少し静かになった頃に朝食を頂きに1階に降ります。チーフのミンモさんたちとご挨拶をして、食事に。今回はオムレツを作っていただきました。私は、実はオムレツが苦手なのですね。なんとなく、べっちゃぁ〜って感じがして、好きになれない。ケチャップが嫌いなせいもあるし。でも、ここのオムレツはふんわ〜りしていて,とても美味しかったです。元の卵がいいのかもしれないけど。少しばかり病み付きになって,毎朝何もつけずに,そのままの味を楽しんでしまいました。そういえば,あのお代はどうなったのだろう? 食事も終わり,今日は目的地?リッフェルアルプに行くこととします。時刻はもうすでに10時になろうとしています。イタリアにいるときと違い,そう時間に追われることなくなんとなくのんびりと過ごす・・・その日の行動は気分次第。それがnaoeのツェルマットでの過ごし方です。切符を買って,GGBに乗車。約20分ほどでリッフェルアルプ駅に到着です。駅には小さな機関車付?で真っ赤なトラムが止まっています。2000年冬にオープンしたホテルリッフェルアルプをこの駅を結ぶ小さな鉄道です。今回はこれには乗車せずに歩いてホテルまで向かいます。のんびりと歩いても15分もあれば十分にホテルまで行くことが出来ます。この道沿いに建ち並ぶ木々のむこうにはマッターホルンがその勇姿をのぞかせてくれています。 ホテルは,以前あった建物の横に更に新しく建て増す形で建っていました。そのエントランスの前には,黄色のパラソルとカフェが。他にも色とりどりの花が咲く花壇・・・さきほどの電車の線路を挟んで庭園のようなスペース。小さな教会。大きく開けたそのエントランスからは,何にも妨げられることなく,マッターホルンの姿を堪能することが出来ます。もうこれだけで,あたしは幸せなのです。 晴れた空,刷毛ではいたような白い雲,そしてマッターホルン。黄色のパラソルの下,テーブルの上には,ビールと乾燥肉のディッシュ。これでもう,何時間でもここで過ごすことが出来そうです。隣りの席でも,同じようにのんびりと時を刻むご夫婦が。ここツェルマットでは,日本にいるときとはまったく違う時の流れに心地よく身を委ねることが出来ます。日本にいるときには,時間に追われ,予定に追われ,時計を気にすることなく生活することなど希だというのに・・・ここでは,いつもと違う自分に出会えてしまいます。 12時近くになり,段々とホテルの前も通り過ぎる人が多くなってきます。もう少し前から,ハイキングを終えた日本人の方達もこの辺りまで下りて来始めています。私がいるのは,ホテル側のパラソルの下。ちょうど正面に山が見えます。このホテルとは道を挟んで直角になる形でもう1軒のレストランがあります。こちらでは,パスタやピッツァなどの料理をいただくことが出来ます。って,基本的には同じお店なんでしょうけど,ちょっとカジュアルな雰囲気なのかな?そちらのお店は昼食時ということで,ほぼ満席状態。でも,ちょっとお腹にたまる?食事のでないこちらの席は,相変わらず,私達ともう1組のカップルだけ。なんか,申し訳ない気分です。ビールのお代わりをしつつ,もう少し粘ります。でも,悲しいかな午後の山は雲がかかり光線の具合もあって今一つなのです。そろそろ時刻ももう午後2時近くなってきました。そこで,エスプレッソとケーキをいただき(よく食べるなぁなんて思わないで下さいね。昼食も兼ねているのですから・・・),腰を上げることとしました。
ここからは,リフェルアルプ〜リティ〜モース〜ウィンケルマッテン〜ツェルマットとハイキングをしながらツェルマットに戻ります。ツェルマット初日ということもあってハイキングコースは短めにしてみました。ツェルマットに戻ったのは,4時過ぎ。ちょっとノンビリと歩き過ぎたようです。さっそく,帰り道で酒屋さんによりファンダンデシュヴァリエを購入。お肉屋さんではソーセージやサラダ・COOPでスモークサーモンなどを仕入れて本日の夕食とします。ゆったりとバスに浸かり,今日の汗を流した後は,もちろんワインタイム!!あとは,長い夏の夕方をベランダで過ごすこととします。さて,今日はいいお天気でした。ここまでこの旅行中1度も雨に降られていません。明日もこの調子が続くとよいのですが?
inserted by FC2 system