8日目(8/8) ツェルマット(グレヒェン日帰り)

 起床5時半過ぎ。ツェルマット3日目の朝はまずまずのお天気模様らしい。今日はどうやらマッターホルンの朝焼けにお目にかかれそうな模様。ということで,軽く身支度をして、ベランダでスズメの餌を撒き,日本茶で体を温めながら,心洗われるひとときをすごす。その後7時少し過ぎに朝食へ。相変わらずこの時間帯は団体客が多くて少しせわしないが、今日は自分も忙しいので仕方がない。8時少し前に部屋に戻り、出発の準備をする。
 8時05分ごろツェルマットの駅へ。窓口で半額カードを提示してグレヒェンまでの往復切符を購入。8:30発の電車に乗車。ツェルマットを後にする旅人たちと共に,電車にゆられ,9:07ザンクトニクラウス到着・下車。数人のリュックを背負っ他人たちも同様に下車。ここで約50分ほど乗り継ぎのために駅舎の中の待合室でバスを待つ。待合室の中は少し暖房が効いているのか暖かいが、外は思っていたよりも寒い。ここザンクトニクラウスには葱坊主の頭を持つ教会がある。散歩がてら石畳の坂道を降りたりして,教会の周囲を回ってみたりもするが,特に見るものもないし,なかなか時間がつぶれない。そんなこんなしていると,ブリーグ方面からツェルマットへ向かう電車がやっと到着。それと相前後して,グレヒェンから降りてきたバスも到着。基本的にはバスと電車の連結は,ブリーグ→ツェルマット行きと無駄な時間がないように設定されているようだ。
 9:55グレヒェン行きのバスは出発。石畳の坂道を下り,舗装道路からぐるっと回るようにして駅の向かい側に見えた山肌を縫うようにバスの登っていく。この最初の上りは、結構道幅が狭くカーブも短い間隔で続くので,バスに弱い自分はスイスでは珍しくバス酔いしそうになってしまった。このいくつかのカーブを超えると次第に道幅も広くなり,快適なバスの旅が続く。途中いくつかの停留所を過ぎ,10:20,グレヒェンPTT建物の後ろの駐車スペースに到着。
 広場を横切って,まずは『@』へ。ここでグレヒェンの地図やパンフレットを入手するとともに,歩きやすくて眺めのよいハイキングコースを紹介してもらう。本当は,日本出発前になんのさん@スイスの旅に広場から右手方向に進むコースを紹介してもらっていたのだが,同行者がいるので,もう少し時間の短いコースに変更することにしたのだ。再び広場を横切りハイキング開始。それにしても,やたらとダンプカーやショベルカーが入ってうるさい村である。なんのさん@スイスの旅にここグレヒェンを紹介してもらったのだけれど,どうも話と違う。落ち着いた素敵な村だと言う話だったのだが???広場の周囲にはテントが立ち並んでいるし,やたら開けたリゾート地という感じである。後でわかったのだが,前日まで広場ではビーチバレーの試合が行われていて,自分が訪れたときはその後片付けの只中だったらしいのだ。せっかくならもう少し静かなときにいけばよかった。
 今回『@』で紹介してもらったのコースは,車も走れるほぼ整地された道路を歩くもので,途中から木立の中を歩くこともできるし,そのまま道路を進むこともできるという,あまり歩くのが得意でない人もオッケーなコースであった。だんだんと家の数が少なくなってくる中,舗装道路を歩く。ほとんど起伏もなく,左手前方にははるかかなたに山並みが望め,右手側は木立が続く。Egga〜Bargli〜Hohtschuggoと進んでいく。途中には,花々で飾られた家があったり,Bargliだったか?馬が放牧されたりなどしている。広場の喧騒がうそのように,とても静かで穏やかな日差しのもとでのハイキングとなった。地図では,1時間と書かれていたが,約45分で目的地Hohtschuggoに到着。Hohtschuggoや途中のBargliにはレストランもありそこからの眺めもまた格別のようだが,自分たちはここで引き返すことに。帰りは自分だけ一部木立の中のコースを歩き,再び,広場へ。往復1時間30分ほどの時間であった。
 短いハイキングにした理由はもうひとつ。ここグレヒェンには2つの展望台があるのだが,どちらにあがるにしても,昼休みの時間帯にはケーブルなどが動かないので,休憩時間になる前に,上にいく必要があるからなのだ。ここでは,12:00の午前最終便でHannigalpにあがる。この展望台もやはりなんのさんに推薦してもらったものである。もうひとつも悪くないのだが,景色を眺めるだけなら,こちらの方は眺望がよいとのことだったのだ。
 ゴンドラ乗り場の建物に入り,階段を上がって半額カードを提示して往復10Sfrでチケットを購入。ゴンドラに乗る。このゴンドラは,乗車数に合わせて,いくつかのゴンドラが続けて運行させるようになっている。緑の牧草地や木々を下に見ながら,Hannigalpに到着。再び階段を上り,建物の外へ。この建物の中にはスキー置き場とかもあった記憶がある。建物を出ると,右手には牧草地と寝そべった牛たちがお出迎えしてくれた。建物と牧草地の間は木の柵で仕切られている。牛たちは思い思いのかっこうでまったり〜としている。それにしてもすごい臭いだ。スイスにはじめてきた時には,牛の糞の臭いに結構驚いたものだったが,近頃はあまりそういう場所に行かない所為か,この臭いに遭遇することもなかったし,驚くこともなかったのだが・・・ここはかなり強烈である。柵の外側に歩ける道があるので,それを少し歩いてみることにする。とはいっても,道自体が牛さんたちの縄張り内にあるのだから,どこもかしこも糞だらけである。とりあえず,トレッキングシューズだから気にしないで歩けるが,ちょっと・・・である。一応は牛の糞をよけながら,少々傾斜のある道を進む。ここからはサースフェーなどへも続くハイキングコースがあるようだ。少し進んだ先に,バーベキューができそうな設備があり,さらに先には左手側に小さな教会があった。約5分ほどでこの教会まで来られたが,ここまで上がってしまうと木立の中で眺望は望めないので,再びゴンドラの駅のほうへ降りる。この途中の坂道からは駅に向かって右手側の眺めがとてもよい。午前中のハイキング中に見えていた眺めと同じなのだが,やはり高さがある分こちらからの眺めはさえぎるものがなくよいものである。 ゴンドラ乗り場の建物の上はちょっとしたスペースになっていたのでそこに出てみると,ツェルマットの方角というのか,微かにマッターホルンらしき山の頂上が覗ける。しばらく眺めを堪能しながら,持参してきたソーセージとパンの昼食を摂るが,なんとなく物足りないし時間もたっぷりとあるので,展望台にあったレストランでビールを飲むことに。お天気も最高で気温もまずまず,空気も臭いさえ気にしなければ最高だし,至福のひとときかも。
 帰りバスの時刻表を確認するとグレヒェン発13:35の後は15:35なので,そのまま展望台でのんびりすごす。この展望台には滑り台などもあった。14:00過ぎのゴンドラに乗りグレヒェンに戻る。実際には14:00を回っていたのに,下から上がってくる人が大勢いるらしく,かなりの数のゴンドラが動いていて,乗ることができてしまった。まだバスの出発まで間があるので,同行者をバス停付近のベンチに残して少し散歩をすることにする。午前中ハイキングした方向とは反対側,Gasenriedまでは到底無理だがそちら方向に少し歩いてみることとする。広場から少し奥に入ると村の家々が生活感たっぷりに建ち並んでいる。家と家の間の空き地に花や野菜が植えてあったり,軒下に洗濯物があったり・・・こういう風景を眺めながらそぞろ歩くのは意外と好きだったりする。朝方の午前中の騒々しさがいずこかへ消え,きっとこの村本来の静かでのどかな雰囲気がこれなんだろうなぁという感じである。何せ人もほとんどいないのだ。石を敷き詰めた少し傾斜のある階段状の道を進んだ後は割と歩き易い道が続く。30分ほど歩いたところで,引き返す。バス停に15:20くらいに戻り,ザンクトニクラウスからのバスを待つ。
 バスは定刻に出発し,ザンクトニクラウス16:00着。16:06初のツェルマット行きの電車に乗り換え。16:42(実際には45分は過ぎていたかな)ツェルマット着。  ツェルマットからの日帰りグレヒェンは初めてにしてはまずまず。ゴンドラの運行時間がもう少し融通が利くともっと楽しめたかもしれない。何せ同行者がこの村をとっても気に入ったみたいだから,機会があればもう少しよく計画を練って再訪してみたいものである。
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