Got hospitalized in Switzerland




9 航空会社

さて、医者から無事退院の許可が出れば日本に戻ることが可能ということになるわけですが, たとえば,肺炎など呼吸器疾患特に肺の疾病関係だと, 退院即帰国といかないことがあるようです。今回は,退院即帰国ということが許可されましたが, この肺関係の疾病の場合,航空機内のように高度が高いと酸素が少なくなる・・・ という理由から,危険性も伴う事もあり(最悪の場合肺が破裂するらしい), 特に航空医療に詳しい専門家の許可が必要になってくる。 酸素ボンベの搭載とかもあるし。
さて,無事に許可が出ても今度は,航空会社の方がその患者は乗ることを許可してくれるか? ということも問題になってくる。基本的は大丈夫なはずなのだけれど,必ずしも乗りたい飛行機に乗れるとは限らない。特に,日系の航空会社の場合,あまり乗せたがらない・・・ということがあるらしく (保険会社の人の科白だと・・・),難しいとのこと。
とりあえずは,直行便が体力的にもベストという事で,予約を入れてみることになった。(この辺の手配はすべて保険会社が代行してくれる。) でやはりというのか,某日系航空会社さん,予約は入ったけれど(空席はあった), 病状の説明などがいった時点でやはり乗れないということになった。(現在この航空会社の直行便は運行されていません)
そこで第2案の仏系の航空会社での帰国に。この辺りはちょっと疑問も残るところなんだけれどね。 最初から,保険会社は仏系に乗せたかったの? だって,「日系は難しいんですよ・・・それに対して仏系はいままでも酸素ボンベ乗せてますし, 実績もあるんで直ぐに許可が出易いんです。。。」 ってことばを,かなり早くから聞いていたからねぇ。だから,実際のところ,保険会社がどういう風にリクエストを出して日系から不許可が出たのか?また,本当に日系はこういうケースの場合,搭乗拒否に近いことになる確率が高いのか? ということは疑問のまま。ただ,同じ条件で日系には搭乗拒否されて仏系には乗れたという事実だけは残った。
実は帰国後、某日系のプライオリティデスクに電話を掛けてみた。そこでの返事は以下の通り。
【医者の許可があるのに,搭乗拒否をすることはない。 ただし,酸素ボンベの用意には時間がかかるので,だいたい3日以上の日数が必要。特に海外から搭乗する場合,日本から運ぶ上に,ボンベの在庫がなければ,更に手に入れる日数が追加される。また,酸素ボンベを置くスペースが確保できないときはお断りする可能性がある。個人で酸素ボンベを乗せることは可能だが,現在アメリカ方面へは搭載できない。】 この返事をどう思うかは個々によって違うのだろうけれど, はっきり言って,あまり乗せてあげますよ!!という意志は感じられないかな?もしも,もう少し積極的な考えがあるならば,日本に在庫ぐらいはきちんと取り揃えておくだろうし, (酸素ボンベで在庫というのがあるものなのかは不明だけれど,現に係の人はこういう表現をした。) また,現在のヨーロッパとの時刻表であれば,朝日本を発つときに乗せれば, 同日の帰国便に積み替えることは可能のはず。だから,要求のあった翌日の便であれば,できないはずはないのでは? と思うのは勝手なのだろうか? これだけで決め付けるのはいけないのかもしれないが,日系航空会社のスタンスについてちょっと考えさせられる問題の気がする。
では,仏系の航空会社は酸素を乗せてくれてよかった、よかったで終わるかというとそうではない。これは,病気とはまったく関係ないところの話なのだが,ちょっと首をかしげたくなるような問題にぶち当たった。私は日本を出発するときにIATAの正規のエコノミークラス普通運賃(約53万円)を購入していった。このチケットは,帰りの日程・径路・航空会社の変更が追加料金なしで可能というもの。とりあえず,出発時には日系のカウンターで購入。したがって,帰りの便もチューリッヒ→成田の直行便で券面が打ってある。そのチケットをもって,まずチューリッヒの日系のカウンターで経路変更の裏書きをしてもらう(この裏書きがないと次のステップにいかない。) そのあと,今回の場合だと仏系カウンターに行き,新しいパリ経由のチケットを発見してもらえるはずだった。日系の手続きまでは順調だったのにもかかわらず,じつは仏系の方は, 頑としてこのチケットを受け取ろうとしないし,こともあろうに,格安のチケットがあるから, 改めてそっちを買うように指示してくる。どう説明しても,上司らしき人が出てきても, 更には,日系の係員が説明しても (IATAの正規航空券であり,径路変更が可能であり,この料金は全世界共通であるということ), 納得してくれない。 最終的には,業を煮やした日系のグランドホステスさんが,自分の方で再発券をしてくれて, 無事乗ることができたのだが,どうもこれには納得がいかない。 日系の方もこの仏系の対応にはかなり首をひねっていた。
ここでわかったことは,かならずしも,あたり前のことが海外では徹底されているとは限らないという事。 万能のはずの航空券でも,相手がその事を知らなければ(理解しようとしないことも含めて), ただの紙切れと同じになってしまうってことだった。 今回の帰国の際には,どっち航空会社に対しても不満と感謝の入り乱れた気持ちで いっぱいになってしまった。

BACK TOP NEXT
inserted by FC2 system